ガスや水道用の鋼管に使用されるテーパねじの加工方式には、固定式と倣い式があります。パイプ径が大きくなるとテーパねじ長さも長くなり、チェーザ幅を広げる必要があるため、一般的には切削抵抗が大きくなります。
固定式とは、チェーザの刃先に成形されたねじ山と角度をパイプに写し取りテーパねじを加工する方式です。
倣い式とは、ねじ径の絞り調整に使うダイヘッドのカム機構と往復台に装着した勾配のついた倣い板とを併用し、ダイヘッドのカム機構と直結した部位が勾配のついた倣い板の上を移動することで、チェーザが外側に開きながらねじにテーパをつける方式のため、チェーザ幅を狭くすることができます。従って切削抵抗が小さく、負荷電流も小さくなるため、100A以上の大口径パイプのねじ加工に有利な方式です。
固定倣い式とは、65A~80Aにも倣い式の優位性を活かすために開発されたダイヘッドで、往復台に倣い板を使用せず、ダイヘッド単体で倣い板を含む倣い機構を内蔵した方式で、S80AⅢに標準装備されました。