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注目!レッキス工業の会社見学

いい製品で世の中のためになるという創業時のマインドが受け継がれています。

創業者の宮川作次郎が、レッキス工業の前身「宮川工具研究所」時代に、使用していたハンマー。持ち手の部分が手の形にすり減っています。このハンマーが物語るように「少しでも世の中のためになる良い製品を生み出す、そのための努力は惜しまない」というマインドは創業の頃から。宮川工具研究所のモノづくりの精神はやがて、オスタ型パイプねじ切り器の初の国産化、電動ねじ切り機の開発、自動切り上げダイヘッド、小型化・軽量化、転造ねじ、といったねじ切り機の数々の革命につながっていくことになります。

1960年(昭和35年)、宮川工具研究所はパイプマシン量産をスタート。この初代電動ねじ切り機は1964年(昭和39年)頃まで生産されていました。

高度経済成長期、日本の建設ラッシュとともに現場作業者の技術のばらつきが課題に。ねじが規定の長さになると、レバーが自動的に持ち上がり、職人さんの経験や技とコツに頼ることなく、誰でも同じレベルでねじ切りできる「自動切り上げダイヘッド」という発明が生まれました。

1989年に開発された持ち運び可能な世界最小のねじ切り機、通称「しぶろく君」(N20AIII)。バブル時代の建設ラッシュに伴い、大ヒット商品になりました。

新たなねじ加工技術も生み出しました

日本のねじ切り技術の進歩とともにレッキス工業の歴史も移り変わり、ねじ切り機もシェアNO.1を獲得しましたが、強く耐久性に優れ、より安全な接合方法を追求する姿勢は絶えることはありませんでした。
多くの従業員の努力の結果、従来の削って作るという切削ねじから、強い力を加えて加工する方法(塑性加工)を実現する「転造ねじ加工」を生み出すことに。この転造ねじは(ねじの谷部分の)材料の組織が部分的に圧縮されるだけで削り出されないため、従来の切削ねじに比べて強度を保つことができます。切りくずが出ず、加工能率も高いため、新幹線や鉄道車両の配管にも転造ねじは使われています。
「ねじ切り」という概念は、削らずにねじを作る「ねじ加工」という概念に置き換わり、新しい時代を創ることになりました。

従来の切削ねじの断面

転造ねじの断面
材料の組織が移動するだけで切り出されないため、パイプの厚さが薄くならず強度を保つことができます。

二つの震災がターニングポイントに。やがて、社会のインフラを支えているという自負へ。

シェアNO.1を誇るねじ切り機とともに、事業の二つ目の柱を担う融着機群のメイン商品がポリエチレン管の熱融着を制御する「EF(エレクトロフュージョン)コントローラー」。
従来のガス管は鉄製で地震などによる強い衝撃で破損が発生しやすく、柔軟性に優れたポリエチレン樹脂製のガス管に注目が集まりました。やがてポリエチレン管同士を熱で融着接合する技術が開発され、レッキス工業でも熱融着によってポリエチレン管を接合するための「HF工法(ヒートフュージョン)」製品も生まれました。

ポリエチレン管の融着工法はその後、従来のHF工法に加えてEF継手(電熱線入り継手)を通電によって熱融着するEF工法(エレクトロフュージョン)が開発されました。
レッキス工業も1980年代終わり頃から、この工法で使用する制御器EFコントローラーの開発を開始、1991年には、初代EFコントローラー「REF100」を市場に投入。折しもその数年後、阪神大震災が発生。レッキス工業の従業員たちは想像を超える被害に声を失いながらも、ガス会社や施工現場の声を聞きながら試作を重ねました。やがて全国的にガス管はポリエチレン管に置き換わり、東日本大震災ではガス管の破断・脱管の事故は阪神・淡路大震災に比べ激減しました。以降、レッキス工業はポリエチレン管融着機器の開発・改善に力を注ぎ、現在では樹脂パイプの融着分野でのEFコントローラーのシェアは80%以上を獲得しました。

東日本大震災における原子力発電所の事故の際には、「原発の事故対応に使われる製品を最優先で作れ!」という社長の指示のもと、速やかに生産計画を変更。レッキス社員は一致団結して増産し、事故修復に協力しました。
近年では耐震性強化への要望に応えた画期的な商品開発を強化。目につきにくい製品ですが、社会とつながって支えているということがレッキス社員に改めて深く刻み込むことになった出来事でした。

そして、シェアや売り上げといった目に見える成果と同時に生まれたのは
「自分たちがライフラインを支えている」というレッキス社員の強烈なプライドでした。

レッキス工業の製品は「正常進化」長く使ってもらうことが何よりも大切。

ねじ加工というニッチな現場で使われる製品では、便利な新しい機能やアイデアをどんどん投入していくことよりも、丈夫で長く使ってもらうことが何よりも求められます。その理由は社会インフラを支える現場につながっているから。

レッキス工業ではあまり組織の隔たりを感じることはありません。ボトムアップで意見を集約していくという組織的な仕組みに加えて、レッキス工業で働く人間それぞれが持つ意思とそれを育む風土が「協力してものにあたろう」という思考を支えています。
−融着機器事業部 宮本純一郎 −

新機能を入れて挑戦しよう!という開発者としての意欲と、長く安全に使ってもらうために変わってはいけないものをよりよくする、ということを両方考えながら設計しています。
黄色いガス管の工事現場を通って四角い機器を見つけると「あれはお父さんが作ってるやつ」と家族も覚えてしまいました、あまり表に出ない商品だけど、見かける機会は結構あるので家族にも誇りを持つことができています。
−商品開発部商品開発3グループ 遠藤智之 −

「お客さんの要求に誠実に応えていこう」という意識はレッキス工業にいるすべての人間が共通で持っている思い。部門が分かれていてもそれぞれの持ち場にこもっているのではなく「見に行け、出て行け」という姿勢が身についています。時には開発と製造で衝突することもあるけど、部門の事情というよりも「いいものを作ろう」という思いは共通しているので、あまり深刻な結果にはならないですね。むしろその後の結びつきがつよくなる。
−製造部組立グループ 溝端勝彦 −

私たちのモノづくりの根本は「丈夫で長く使ってもらうものを作る」という共通した思い。
とくにガス管・配水管はみなさんの生活に密着しているので、施工現場ではより安全に作業してもらえるような配慮が欠かせません。必要なのはお客様の声に耳を正しく傾ける姿勢。あらゆるメーカーで「ニーズを汲み取る」ということは実践されていることですが、レッキス工業では、製品の設計のほか、部品・製品を加工し組み立てる製造、お客様の窓口となる営業、また修理を担当するテクノサービスと部門にかかわらず社内全体に深く浸み込んでいます。

レッキス工業のモノづくりの精神は創業以来、「社会のために役に立つものを」という思いを、社会のインフラを支えているというプライドに結実させ、より長く安全に、そして新しいものを目指して、製品づくりにチャレンジし続けています。

※登場するレッキス工業担当者の部署・肩書きは掲載当時のものです。

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「切る」「継ぐ」「環境保全」をテーマとして、ライフラインを支える配管設備の課題解決にREXならではの独自性と創造性で貢献します。

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